トリガーポイント注射と鍼治療の違い|効果・副作用・選び方
トリガーポイント治療とは?
筋肉のコリやしこり(トリガーポイント)が原因で起こる筋筋膜性疼痛には、大きく分けて2つの治療法があります。
1つは、薬液を注入するトリガーポイント注射(ウェットニードリング)。
もう1つは、薬を使わずに針で刺激するトリガーポイント鍼治療(ドライニードリング)です。
どちらも効果があるとされていますが、「どちらが優れているか」は評価する項目や期間によって異なります。ここでは、最新の研究結果をもとに比較し、患者さんが選ぶ際の参考になるようにまとめました。
トリガーポイント注射と鍼治療の比較
- 短期的な痛みの軽減:注射は即効性がある(局所麻酔薬の効果)/鍼治療はやや劣る → 注射が優位
- 機能改善・動作のしやすさ:両者に差はほとんどない → 同等
- 痛みの原因への作用:注射は「針+薬液」、鍼治療は「針のみ」
- 安全性・副作用:注射は薬剤アレルギーや副作用リスクあり/鍼治療は薬を使わないため安全性が高い
- 長期的な効果:両者とも明確な差はなし
研究でわかっていること
短期的な痛みの軽減
最新の研究では、トリガーポイント注射は短期的な痛みの軽減に優れていると報告されています。これは、局所麻酔薬の即効的な鎮痛作用によるものです。
機能改善や長期的な効果
首や腰の痛みを対象にした研究では、注射と鍼治療に大きな差はなく、どちらも針による物理的刺激が機能改善に寄与していると考えられています。
安全性と副作用
鍼治療の方が安全性が高いとされています。注射は薬剤による副作用リスクがありますが、鍼治療は薬を使用しないため、その心配がほとんどありません。
どちらを選ぶべき?
- 即効性や強い痛みのコントロールを重視 → 医師による「トリガーポイント注射」
- 薬剤リスクを避けたい・慢性的なコリや痛みを改善したい → 「トリガーポイント鍼治療」
まとめ
トリガーポイント注射と鍼治療は、どちらも筋筋膜性疼痛に有効であることが研究で確認されています。
選択のポイントは「即効性」か「安全性」かです。
浜松市で慢性腰痛や肩こりにお悩みの方は、すずき鍼療院・整体院にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
- Q. トリガーポイント注射は痛いですか?
- A. 局所麻酔薬を使用するため、注射時にチクッとした痛みがありますが、効果が出やすい特徴があります。
- Q. 鍼治療はどのくらいで効果が出ますか?
- A. 個人差がありますが、数回の施術で痛みの軽減や筋肉の柔らかさを実感する方が多いです。
- Q. どちらを選ぶか迷ったらどうすればいいですか?
- A. 即効性を求めるなら注射、安全性を重視するなら鍼治療がおすすめです。症状に合わせて併用する場合もあります。
この記事の執筆者
鈴木 雄亮(すずき鍼療院・整体院 院長/鍼灸師)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門とし、腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症など慢性症状の改善を得意としています。
大阪手技療法研究会やREXトリガーポイント研究会で研鑽を積み、最新の知見を臨床に取り入れながら施術を行っています。