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椎間板へルニアが腰痛の原因とは限らない

「ヘルニア=腰痛の原因」とはならない理由

日頃から腰の痛みに悩み、整形外科を受診。レントゲンやMRIの結果、「椎間板ヘルニア」と診断される——。

その後、痛み止めや湿布を処方され、けん引や電気治療などのリハビリを行い、それでも改善しない場合はブロック注射、最終的には手術……。

このような流れを経験された方は少なくありません。

しかし、ヘルニアが原因とされ治療を受けてきたのに、症状が改善しないのはなぜでしょうか?

当院では、その痛みの本当の原因は「筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)」によるものではないかと考えています。

椎間板ヘルニアとは?

椎間板ヘルニアとは、背骨の間にある「椎間板」というクッションの中心部(髄核)が飛び出し、神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こす状態です。

典型的な症状は片側の下肢に起こる神経痛であり、重度の場合は下半身の麻痺や排尿・排便障害などが見られることもあります。

ただし、こうした重症例は全体の1%以下とされ、多くのケースは保存療法(リハビリや薬物療法)で経過をみることになります。

ヘルニア=腰痛ではない?

意外に思われるかもしれませんが、ヘルニアの主な症状は「腰痛」ではなく「下肢の神経痛」です。

実際には、ヘルニアと診断された多くの方が「腰痛のみ」を訴えており、それも慢性的で、特定の姿勢や動作時だけに痛むという特徴があります。

しかし、本来炎症性の痛みであれば常に痛みがある「自発痛」であり、消炎鎮痛剤が有効なはずです。

また、前かがみになることでヘルニアが押し出されて悪化するとされていますが、実際には後屈(反らす動き)で悪化する人が多く見られます

このように、画像診断と痛みの実際の状態が一致しないケースは決して少なくありません。

考えられるもう一つの原因 ― 筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)

このような場合、腰部の筋肉や筋膜にできたトリガーポイント(過敏化した痛みの発生源)が、痛みの原因となっている可能性があります。

これは「筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)」と呼ばれ、画像では確認できないため見逃されやすい痛みです。

特に、筋肉の過緊張や同じ姿勢・動作の繰り返しなどが原因でトリガーポイントが形成されると、運動時痛やしびれが現れることがあります。

当院では、こうした筋性疼痛に対して鍼治療や徒手療法を中心としたアプローチを行っています。

長引く腰痛にお悩みで「ヘルニアだから仕方ない」と諦めている方は、一度「筋性疼痛」という視点からの評価と治療を受けてみることをおすすめします。

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