歩くと足がしびれる腰部脊柱管狭窄症とは?
腰部脊柱管狭窄症とは?
腰部脊柱管狭窄症は、背骨の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されることで腰痛や足のしびれ、歩行障害を引き起こす疾患です。
2025年現在、高齢化に伴い患者数は増加しており、研究や治療法も進化しています。
原因と疫学
主な原因
最も多いのは加齢による変性(変形性脊椎症)です。代表的な原因には以下があります。
- 椎間板の変性:膨隆やヘルニアによる神経圧迫
- 骨棘:関節部分にできる骨のとげのような増殖
- 黄色靱帯の肥厚:靱帯が厚く硬くなり神経を圧迫
- 椎間関節の肥厚・変形性すべり症
- 先天性:生まれつき脊柱管が狭いケース
統計データ
- 日本では70代の約10%前後に有病率が上昇すると報告
- 米国では2025年までに6400万人以上が影響を受けると予測
- 症状を訴えるのは50歳以上に多い
近年の治療法と研究動向
治療は非手術的治療から開始し、改善が見られない場合に手術的治療が検討されます。
1. リハビリテーション(非手術的治療の進化)
- 神経可塑性の活用:脳や神経の回復能力を利用したエクササイズやバランストレーニング
- 心理的アプローチ:ストレス管理や認知行動療法による痛みの恐怖心の緩和
- AI・ロボティクス:AIによる姿勢解析や個別化リハビリプランの導入
2. 新しい注入療法
次世代PRP療法が注目されており、再生効果による機能回復が期待されています。
3. 手術的治療
従来の椎弓切除術(除圧術)や脊椎固定術に加え、低侵襲手術(MIS)が進化。
内視鏡を用いた術式は傷が小さく、回復も早いのが特徴です。
4. 薬物・注射治療
- 薬物療法:NSAIDsや神経障害性疼痛薬
- 硬膜外ステロイド注射:炎症や腫れを抑えて痛みを軽減
トリガーポイント治療の役割(2025年最新研究)
トリガーポイント治療は直接的に神経圧迫を解除するものではありませんが、周囲の筋緊張や筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の緩和に有効とされています。
最新研究の知見
- 手術後の残存疼痛:2024年研究で、リドカインによるトリガーポイント注射が慢性的な痛みに有効と報告
- 硬膜外ステロイド注射との比較:2025年RCTで、トリガーポイント注射はESIと同等以上の改善効果を示す結果
注射薬と安全性
- ステロイド使用:効果は限定的で慎重に検討
- 局所麻酔薬:リドカインなどを用いたTPIは安全性が高く有効性も確認
まとめ
腰部脊柱管狭窄症は加齢・生活習慣・構造変化が複雑に関与する疾患です。
2025年の治療はリハビリ・低侵襲手術・新しい注入療法など、多角的アプローチへと進化しています。
さらにトリガーポイント治療は手術後や非手術的治療の補助として有効性が示され、選択肢のひとつとして注目されています。
浜松市で腰痛や脊柱管狭窄症にお悩みの方は、すずき鍼療院・整体院へご相談ください。
よくある質問(FAQ)
- Q. 腰部脊柱管狭窄症は手術しないと治りませんか?
- A. 多くの場合は保存療法やリハビリで改善が可能です。重度の場合に手術が検討されます。
- Q. トリガーポイント治療は効果がありますか?
- A. 神経圧迫そのものを治すことはできませんが、筋肉由来の痛みやしびれを軽減する効果が報告されています。
この記事の執筆者
鈴木 雄亮(すずき鍼療院・整体院 院長/鍼灸師)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門とし、腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症など慢性症状の改善を得意としています。
大阪手技療法研究会やREXトリガーポイント研究会で研鑽を積み、最新の知見を臨床に取り入れながら施術を行っています。