「起床時に腰が痛い/寝ていると腰が痛い」という腰痛
腰痛で来院された患者様に「朝起こる時腰が痛い」「寝ていると腰が痛い」と訴える方が一定数おられます。
このような腰痛の原因と対策について、筋肉が原因となる痛みとして解説します。
原因について
まず、こういった腰痛の発現条件は仰向けかうつ伏せで寝ている時に起こります。
この姿勢では共通して、腰椎の前弯が増強した状態(腰が反った状態)となって痛みを感じます。

腰が反ると痛みが出る理由
腰が反る(腰椎の前弯増強)姿勢では、骨だけでなく筋肉も縮められています。
正常な筋肉であれば、痛くないのですがトリガーポイントが形成された悪い筋肉は、
縮められると勝手に力が入って(筋肉が収縮する)しまいます。
その結果、筋肉の収縮でトリガーポイントが刺激されて痛みがでてしまいます。
特に多裂筋という腰を反らす筋肉に原因があることが多くみられます。

痛みへの対策
対策は、シンプルに痛みの出ない姿勢で寝る事が大切です。
横向きでやや腰を丸めて寝ることで、腰椎の前弯がない姿勢となり痛みが起こりにくくなります。
仰向けの場合は膝を曲げて寝ると腰椎の前弯が軽減されます。
寝具について考察
よく布団が合わないと相談されますので個人的な考察ですが、
寝具は基本的に背骨のカーブを保つように設計されています。
しかし、痛みの原因と照らし合わせるとミスマッチであるように思われます。
硬い布団で仰向けに寝ると腰が反りやすくなりますが、横向きでは背骨が反らない姿勢になります。
逆に柔らかい布団では仰向けでは腰が反りにくく、横向きでは骨盤が沈み側弯状態になりよくありません。
ご自身の腰痛の発生条件に合わせて選択されるのが良いかと思います。
もし、どの方向でも痛いと感じてしまうなら横向きがおすすめです。
布団で腰痛は改善可能か?
「痛みは刺激によって引き起こされる」のが生理学的に基本です。
したがって、寝具は刺激されにくくなるための補助具であり治療にはならないと考えます。
痛みの発生源(トリガーポイント)を治療し、刺激されないように生活することで
改善が早まると考えています。
この記事の執筆者
鈴木 雄亮(すずき鍼療院・整体院 院長/鍼灸師)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門とし、
腰痛・肩こり・坐骨神経痛・膝痛・五十肩などの慢性症状改善を得意としています。
大阪手技療法研究会やREXトリガーポイント研究会で研鑽を積み、
最新の知見を臨床に取り入れながら患者様一人ひとりに合わせた施術を行っています。