当院の腰痛治療について
当院の腰痛治療について
当院では腰痛はトリガーポイントという痛みの発生源が原因であると考えています。
ここでは、当院が考える腰痛の原因・治療の考え方・実際の施術の流れをご紹介します。
1.原因に対する考え方
腰痛は、画像検査(MRI・レントゲン)で異常が見つからない「非特異的腰痛」であることが多く、
また、ヘルニア・分離症・狭窄症などが原因と診断されている場合もあります。
しかし、重篤なケースを除けば、その多くは骨や関節の形の変化、あるいは一時的な筋肉の疲労と説明されることが一般的です。
この考え方では、原因を「骨」に求めるため、根本的な治療は手術が中心となり、
腰痛という症状に対しては痛み止めや湿布などの対症療法が主になります。
その結果、「この痛みとは付き合っていくしかない」と感じてしまう方も少なくありません。
しかし当院では、腰椎の変形や加齢変化の有無とは関係なく、
筋肉の中に形成されるトリガーポイント(痛みの発生源)こそが、本当の原因であると考えています。
痛みを生理学的に考えると、そこには「刺激」と「受容器(刺激を感じ取るセンサー)」という仕組みが関わっています。
多くの腰痛は、特定の姿勢や動作で強く痛み、
それ以外の姿勢では痛くないという特徴があります。
もし痛みの原因が「ヘルニアによる神経圧迫」や「骨の変形による炎症」であるなら、
神経や関節は常に刺激されているため、どんな姿勢でも常に痛いはずです。
つまり、痛みが出る姿勢と出ない姿勢があるということは、
「刺激を受ける受容器=痛みのセンサー」が一部の動きの中でだけ反応しているということになります。
このような痛みは、「運動痛」と呼ばれます。
筋肉の収縮が刺激となり、トリガーポイントという過敏化した受容器が反応して痛みを感じている――
当院では、これが腰痛の多くに共通する本質的なメカニズムだと考えています。
2.治療についての考え方
腰痛の原因は、筋肉が痛みの受容器が過敏になっている状態(感作)にあります。
つまり、治療の目的はこの過敏化した受容器を落ち着かせ、正常な状態に戻すこと(脱感作)です。
正常に戻れば、同じ動作や姿勢をとっても痛みを感じにくくなります。
一方で、現代医学では痛みの多くが
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炎症による痛み
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神経の圧迫による痛み(神経痛)
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ストレスや心理的要因による痛み(心因性)
のいずれかと考えられ、それに対応する治療が行われます。
このため、鎮痛薬(痛み止め)や神経痛の治療薬が一般的な処方となります。
しかし、トリガーポイントが原因の痛みは、これらとは異なる「感作痛」に分類されます。
そのため、薬を飲んでも一時的にしか変化がない、あるいはまったく効かないというケースが多く見られます。
この場合、痛みが強いから薬が効かないのではなく、
そもそも「原因」と「治療法」が合っていないために改善しないと考えられます。
つまり、トリガーポイントの過敏化を直接整える治療が必要なのです。
3.実際の治療について
問診
痛みの部位・経過・生活動作を丁寧に伺います。
「いつ/どの動きで痛むか」「どんな姿勢で楽か」を把握し、原因仮説を立てます。
検査(評価)
痛みが出る動作を再現し、どの筋が関与しているかを運動学的に評価。
触診でトリガーポイントの反応(圧痛・関連痛・局所の過敏)を確認し、責任トリガーポイントを特定します。
治療
特定したポイントに鍼や徒手療法を用いて最小限かつ的確な刺激を加えます。
一過性の「ズーン」という響きは、過敏化が鎮まるサイン(脱感作反応)です。
4.まとめ
腰痛は「年齢のせい」や「骨の異常」だけでは説明できません。
筋・筋膜由来の痛みには、トリガーポイント治療が有効です。
当院は、問診→評価→治療→再評価のプロセスで、根本原因の同定と再発予防に取り組みます。
「原因がはっきりしない」「その場しのぎではなく改善したい」方は、一度ご相談ください。
あなたの腰痛の本当の原因を、一緒に見つけていきましょう。
この記事の執筆者
鈴木 雄亮(すずき鍼療院・整体院 院長/鍼灸師)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門とし、腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症など慢性症状の改善を得意としています。
大阪手技療法研究会やREXトリガーポイント研究会で研鑽を積み、最新の知見を臨床に取り入れながら施術を行っています。