運動は“薬”?マイオカインがもたらす健康効果とは
マイオカインとは?
マイオカインは、2003年頃に発見された物質です。
筋肉は単に身体を動かしたり、エネルギーを消費するだけでなく、
「マイオカイン」と呼ばれるホルモン様の物質を分泌し、他の臓器に働きかけています。
なぜ運動は身体に良いのか?
運動は、さまざまな病気の予防・改善に効果があることが知られています。
一方で、生活習慣病をはじめとした多くの疾患は、運動不足と深く関係しています。
この背景にある重要なメカニズムが、
筋肉から分泌されるマイオカインです。
マイオカインの主な働き
マイオカインは全身に作用し、さまざまな健康効果をもたらします。
- 骨の形成を促進する
- 脳・神経の働きを高める
- 脂肪を分解する
- 肝臓・膵臓の働きを整える
- 血管の劣化を予防する
- 腸の働きを整え、がん細胞の生成を抑える
- 皮膚の老化を予防する
- 筋肉量を増やし、代謝を高める
マイオカインはいつ分泌されるのか?
マイオカインは、運動による筋肉の収縮をきっかけに分泌されます。
- 運動するたびに分泌される
- 運動習慣によって持続的に分泌されるものもある
つまり、「筋肉を使うこと」がスイッチになります。
“悪玉”マイオカインに注意
マイオカインは常に良い働きだけをするわけではありません。
- 運動不足
- 加齢
これらにより、筋肉からの分泌バランスが崩れ、
筋萎縮や骨の弱化など、老化に関わる作用が強まることがあります。
代表的なマイオカイン
IL-6(インターロイキン6)
IL-6は状況によって働きが変わる特徴があります。
- 風邪や感染症 → 急激に増加(急性炎症・発熱)
- 肥満 → 慢性的に高い状態(慢性炎症)
- 運動 → 一時的に中程度上昇(抗炎症作用)
運動によって適度な分泌を繰り返すことで、
普段の炎症レベルを下げる働きが期待されます。
また、筋グリコーゲンが少ない状態での運動(特に有酸素運動)では大きく増加し、
- 肝臓から糖を放出
- 脂肪分解を促進
といったエネルギー供給にも関わります。
アイリシン
- 白色脂肪を「燃えやすい脂肪(ベージュ脂肪)」へ変化させる
- 認知機能への良い影響が示唆されている
脂肪には2種類あります。
- 白色脂肪:エネルギーを蓄える(増えると肥満)
- 褐色脂肪:脂肪を燃焼する
アイリシンは、脂肪を燃えやすい状態へ変える働きを持ちます。
どんな運動が効果的?
基本は以下の組み合わせが理想です。
- 筋トレ(筋肉量アップ)
- 有酸素運動(代謝改善)
それぞれ分泌されるマイオカインが異なるため、
両方をバランスよく行うことが重要です。
また、筋肉量が多いほど分泌量も増えやすくなります。
慢性炎症との関係
炎症には2種類あります。
- 急性炎症(ケガなどで起こる)
- 慢性炎症(気づかないうちに続く低レベル炎症)
慢性炎症は、
- 肥満
- 食生活(特に動物性脂質の過剰摂取)
などで起こりやすく、
代謝異常や生活習慣病の原因になります。
マイオカインは、
👉 一時的に炎症を上げて、その後下げる
という働きがあり、
慢性炎症の改善に関与すると考えられています。
まとめ|運動と身体のケアを両立する
運動は“薬”とも言われるほど、体にとって重要な働きを持っています。
その鍵となるのが、筋肉から分泌されるマイオカインです。
ただし、実際には痛みや不調があると、運動を続けることが難しい方も多いのではないでしょうか。
当院では、筋肉や関節の状態を整えることで、
運動による健康効果を最大限に引き出せる身体づくりをサポートしています。
大切なのは、
「運動」と「身体のケア」を両立すること。
無理のない範囲で体を動かしながら、
必要に応じて身体を整えていきましょう。
この記事の執筆者
鈴木 雄亮(すずき鍼療院・整体院 院長/鍼灸師)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門とし、
腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症などの慢性症状の改善を得意としています。
大阪手技療法研究会やREXトリガーポイント研究会で研鑽を積み、
現在も臨床と並行して継続的に学びを深めています。