TOP

053-540-3889ご予約

腰椎椎間板ヘルニアの腰痛の隠れた原因

腰の痛みや足のしびれで病院を受診し、MRI検査の結果「腰椎椎間板ヘルニア」と診断された方は多いと思います。
痛み止めの薬やリハビリ、ブロック注射などの治療を受けても、なかなか症状が改善せず不安を感じている方も少なくありません。

実は、ヘルニアと診断された腰痛の中には、神経の圧迫だけでは説明できない痛みが含まれていることがあります。
近年の研究では、腰痛や坐骨神経痛を訴える患者の多くに、筋肉のトリガーポイント(筋筋膜性疼痛)が関与していることが報告されています。

この記事では、腰椎椎間板ヘルニアと診断された腰痛の中に隠れていることがある、筋肉由来の痛みについてわかりやすく解説します。

ヘルニアだけでは説明できない腰痛がある

腰椎椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板が神経を圧迫することで腰痛や足のしびれを引き起こすと考えられています。
そのため、「ヘルニアがある=痛みの原因」と考えられることが多いでしょう。

しかし実際の臨床では、MRIでヘルニアが見つかっていても、その所見だけでは現在の痛みを十分に説明できないケースも少なくありません。
例えば、画像上では神経の圧迫が軽いのに強い痛みが出ていたり、逆に大きなヘルニアがあっても症状がほとんどない人もいます。

このような場合、痛みの背景には神経以外の要因が関係していることがあります。

レントゲンやMRIに写らない腰痛の原因

腰の痛みの原因を調べる際には、レントゲンやMRIなどの画像検査が行われます。
これらの検査によって、骨の変形や椎間板ヘルニアなどの異常を確認することができます。

しかし、腰痛の強さが画像上の異常と必ずしも一致するとは限りません。
実際の臨床では、ヘルニアが小さいのに強い痛みが出ている人がいる一方で、大きなヘルニアがあっても症状がほとんどない人もいます。

このような場合、痛みの原因そのものがヘルニアではなく、別の組織にある可能性も考えられます。

その候補の一つとして知られているのが、トリガーポイントと呼ばれる筋肉の痛みの発生源です。

重要なのは、このトリガーポイントがレントゲンやMRIには写らないという点です。
そのため、画像検査だけでは説明できない腰痛が存在することがあります。

腰の筋肉の解剖図

トリガーポイントが関係する腰痛の特徴

トリガーポイントが関係する腰痛では、次のような特徴がみられることがあります。

□ 朝起きたときや動き始めに腰が痛い
□ 長時間座っていると腰がつらくなる
□ 腰だけでなく、お尻や足に痛みが広がることがある
□ 痛み止めの薬やブロック注射を受けても症状があまり改善しない
□ ヘルニアと診断されてから、数か月以上あるいは数年以上続く慢性的な腰痛がある
□ 腰の痛みはあるが、足のしびれはほとんどない

これらの特徴がいくつか当てはまる場合、腰の筋肉にできたトリガーポイントが症状に関係している可能性があります。

このような腰痛では、筋肉にできたトリガーポイントを評価し、適切に治療することが重要になります。

なぜ薬や注射が効かないのか

痛み止めの薬やブロック注射は、主に神経の炎症や神経の痛みを抑えるための治療です。

しかし、筋肉にできたトリガーポイントによる痛みは、筋肉が動いたり伸ばされたりしたときに起こる**機械的な痛み(機械痛)**と呼ばれるタイプの痛みです。

簡単に言うと、
神経の痛みと筋肉の痛みでは、痛みの仕組みそのものが違うのです。

そのため、痛みの原因が筋肉にある場合、神経を対象とした薬や注射だけでは十分な効果が得られないことがあります。

トリガーポイントの治療法

筋肉のトリガーポイントによる痛みは、筋肉が動いたり伸ばされたりすることで生じる機械的な痛み(機械痛)です。

このタイプの痛みは、神経の炎症を抑える薬とは痛みの仕組みが異なるため、痛みの発生源となっている筋肉そのものにアプローチする治療が必要になります。

その代表的な方法が、トリガーポイントに刺激を加える刺激鎮痛法です。
鍼治療や徒手療法などにより筋肉の緊張を緩め、痛みの発生源を改善していきます。

こうした方法は薬とは違い内臓への負担がなく、ブロック注射や手術と比べても身体への侵襲がかなり小さいという特徴があります。

当院では、従来の「痛む場所だけを治療する」という考え方ではなく、新しい疼痛学の知見をもとに痛みの原因となっている筋肉を評価し、トリガーポイントへアプローチする治療を行っています。

まとめ

腰椎椎間板ヘルニアは、腰痛や足のしびれの原因としてよく知られています。
しかし実際には、画像でヘルニアが見つかっても、その所見だけでは現在の痛みを十分に説明できないケースもあります。

その理由の一つとして考えられているのが、トリガーポイントです。
トリガーポイントによる痛みは、神経の炎症による痛みとは異なり、筋肉が動いたり伸ばされたりしたときに起こる機械痛
と呼ばれるタイプの痛みです。

このような痛みでは、神経を対象とした薬や注射だけでは十分に改善しないことがあります。
その場合には、筋肉にできたトリガーポイントを評価し、適切にアプローチする治療が必要になることもあります。

腰痛の原因は一つとは限りません。
ヘルニアだけにとらわれず、筋肉の状態も含めて原因を考えていくことが大切です。

この記事の執筆者

鈴木 雄亮(すずき鍼療院・整体院 院長/鍼灸師)
筋筋膜性疼痛症候群(MPS)やトリガーポイント治療を専門とし、腰痛・坐骨神経痛・脊柱管狭窄症など慢性症状の改善を得意としています。
大阪手技療法研究会やREXトリガーポイント研究会で研鑽を積み、筋肉由来の痛みに対する評価と治療を臨床に取り入れながら施術を行っています。

関連記事

この記事をシェアする: