ひざ痛改善のためのトレーニングは有効か?
変形性膝関節症の予防や改善のために筋力トレーニング
をすすめられるケースがよくあります。
しかし筋力トレーニングで本当にひざ痛は改善できるのでしょうか?
興味深い事に、若年層のアスリートでも変形性関節症とされる
状態になっている選手が多く、痛みも訴えています。
筋力が十分に備わっているスポーツ選手であっても痛みは生じているのです。
またひざ痛で問題になる動作は主に起居動作や歩行です。
立ち上がる、歩くために必要な筋力はトレーニングで鍛えないといけないほど必要でしょうか?
これらの観点から痛みの改善に筋力トレーニングの是非を考察してみたいと思います。
痛みはなぜ起こるのか?
痛みの根本的な性質は、身体のアラームです。
つまり痛みは身体の危険を知らせる事が役割です。
筋力トレーニングは基本的に負荷が必要です。
トレーニングでは関節にも強い衝撃・圧力がかかり、筋肉も力発揮のために強い張力が発生しています。
関節の変形や痛みがある場所に負荷をかける事はメカニズム的に考えると
疑問があります。
筋力が不足している状態とは?
リハビリ等で筋力の不足を指摘されたという話をよく伺います。
主な評価基準は健側に比べて低いからという理由からである事が多い
と思われます。
しかし、健側に比べて筋力が低いのは痛みがあれば自然な事です。
ひざ痛では大腿四頭筋の筋力を評価することが多いですが、
痛みもまた大腿四頭筋が原因となっている事が多くあります。
筋肉由来の痛みの引き金は、筋肉の収縮です。
強く力を入れるほど比例して強い痛みを感じます。
そのため、痛みを感じた時点で張力発揮にブレーキがかかる事で
結果的に出力は下がります。
つまり筋力が不足しているわけではなく、痛いから力が入らないだけです。
歩行に必要な筋力とは?
そもそも歩行時には片足に体重の数倍の負荷がかかっています。
歩行に必要な筋力が不足していて、筋力をつけるための最大筋力トレーニング
をするなら理論的にはトレーニングを体重の数倍で行う事になります。
筋力不足を解消するために筋肉をつけるという事は
最低でも体重以上の負荷をかけてトレーニングすることが必須条件です。
このようなトレーニングは現実的でしょうか?
そのようなトレーニングをおこなえば関節の負担も増大し、より悪化していく事は
明白だと思います。
逆に言えば、歩行に必要な筋力をつけたければ歩くことで十分です。
運動自体は必要か?
ひざ痛の改善に運動が必要となるケースでは、
まず、減量のための運動として行う事です。
体重を減らすことはひざへの負担が軽くなるため、
BMI値25以上の人は減量のために運動を検討する事も必要かもしれません。
もちろん、運動によってもたらせるホルモンや血糖値の調整作用が健康にとって
効果的な一面も持ちます。
もう一つは適切な身体の使い方をトレーニングを通じて再教育することも
有効です。
歩行時の圧力や衝撃を分散する筋肉の使い方や、体重支持のための使い方は
適切なトレーニングをおこなえばだれでも身に着けられます。
それも決して高重量や激しい運動ではなくステップ台の昇り降りのような
運動で十分可能です。
しかしプール歩行では身体の使い方が陸の上を歩く事と違いすぎるため、
このような目的には適さないといえます。
まとめ
痛みと筋力は相関せず、また筋力を強化する必要性は
特別な条件を除き意味がある事とは言えないと考えます。
したがってまずは痛みの原因を改善し、再発防止を目的とした正しい歩行の為の
トレーニングを行っていく事が治療と運動の組み合わせで必要なことだと
考えています。
ご希望があれば必要なエクササイズをお伝えすることも可能です。
ご相談ください。